過去20年の間に起きた中国の食品安全スキャンダルとは

アメリカの製品は、3分の1の輸入品が中国産ですが、中国で消費されているアメリカの食品はわずか1%のみです。ご存じの方もいらっしゃると思いますが、過去数十年の間で中国は複数の食品スキャンダルに揺れています。恐怖がデマを加速させたことは否めませんが、ほとんどの主張は残念ながら事実であると言われています。

爆発するスイカ、有害な粉ミルク、賞味期限切れの肉…すべて中国で実際に発生した事例です。他国に輸出されている製品も複数存在します。それでは、過去20年間の中国の食品安全性スキャンダルをご紹介していきましょう。

鉛入り粉末ショウガ

A powder ginger spice blend is on a wooden spoon.
Marco Verch Professional Photographer and Speaker/Flickr
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2013年、訴訟戦争に巻き込まれたトレーダー・ジョーズとホールフーズ。気付かずに鉛が混入した粉末ショウガとキャンディプラムを販売してしまったことが事の発端です。オーガニックと記載されていたにも関わらず、ブランドは販売前に規制を行っていませんでした。

世界保健機関によれば、鉛の混入は腎臓、血圧、神経系に影響を及ぼします。「中国では農業が盛んで、いくつかの法律は存在はするがきちんと執行されていない」と、食品安全性の専門家であるマイケル・ハンセンは話しています。

爆発するスイカ

A child eats the center of a circular watermelon slice.
Visual China Group via Getty Images/Visual China Group via Getty Images
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2011年、スイカに投与した成長促進剤が原因で中国は食品安全スキャンダルの渦にのまれました。農家のリウ・ミンソーがスイカに成長促進剤であるホルクロルフェニュロンを注入。購入者がスイカを切ろうとすると、皮が薄いために「爆発」してぱっくり割れるという事態が発生したのです。

このような事実があるにも関わらず、中国はいまだに世界第10位のスイカの輸出国の地位を守っています。一部の農家は成長促進剤の使用に反対しており、節約のために安価で危険な成長促進剤を使っている農家は他にも存在すると警鐘を鳴らしました。ただ、現在ではスイカが「爆発」するような事態は報告されていません。

危険な粉ミルク

An employee stocks baby powder formula at a pharmacy.
Sam Tsang/South China Morning Post via Getty Images
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2008年、腎臓結石が原因で54,000名もの赤ちゃんが病院に搬送されました。このような症状が乳児に見られるのは稀であることから、チャン・ウェイ医師は事態の解明に乗り出します。その結果、22社の粉ミルクメーカーが毒性のあるメラミンを商品に混入させていたことが発覚しました。

スキャンダルの根本は、地元の農家が赤ちゃんの満腹感を増幅させると主張している「プロテインパウダー」にあります。中国で食品安全性に関する著書を発表しているジョン・ヤスダによれば、粉ミルクの需要増加がスキャンダルの引き金となっているようです。被害に遭った子供たちは、今もなおその影響を受け続けています。

期限切れ生肉の販売

Meat products are on sale at a supermarket.
Zhang Peng/LightRocket via Getty Images
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2014年、中国のマクドナルドへの信頼が大暴落しました。報道によれば、サプライヤーのOSIが期限切れの生肉をマクドナルドに販売していたというのです。過去に同じくOSIから肉を入荷していたピザハットやケンタッキー・フライド・チキンはすでに同社との契約を断っていましたが、マクドナルドのみが引き続き協力関係を築いていました。

しかも、マクドナルドだけではありません。2018年、中国警察は冷凍食品市場で期限切れ肉を何百キロも押収しています。ラベルが張り替えられている魚や肉も発見されました。数年経った今も、OSIから肉を入荷しているレストランへの不信感は続いています。

地溝油で調理

A street vendor fries tofu in Vietnam.
Yvan Cohen/LightRocket via Getty Images
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「臭豆腐」は、キツイ匂いで有名な発酵豆腐です。高級食材として知られていますが、中国国内での評判はイマイチです。2003年、ジャーナリストが違法な化学物質や腐った食品を使用して臭豆腐のあの黒い色を実現していることを暴きだしました。メーカーは汚水を使って臭豆腐を調理していたのです。

「地溝油」と呼ばれるこの油は、排水溝や下水溝からかき集めて調理に使用されます。2017年、浙江省のレストラン店員が地溝油を調理に使用して逮捕されました。中国メディアは、地溝油が頻繁に使われるのは唐辛子油を使う飲食店であると報道しています。

汚染された魚

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2006年、中国健康委員会は汚染されたイシビラメ40,000トンを輸出したことを暴きました。漁師たちが黒海であがったイシビラメを適切に取り扱っていなかったことが原因です。いくつかの報告は、意図的に違法化学物質をエサとして与えていた可能性を示しています。

少なくとも30匹の魚のサンプルから、毒性の化学物質であるニトロフラントインが検出されました。エンロフロキサシン、マラカイトグリーン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、シプロフロキサシンなどの他の禁止薬物も併せて検出されています。養殖業者は「少なくとも99%」の魚が科学物質を与えられていると主張しました。その年、北京ではイシビラメの販売を禁止しています。

色染めされたサヤインゲン

Green beans sit in a white bowl.
Romulo Yanes/Condé Nast via Getty Images
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2010年、中国湖南省が再び食品スキャンダルに揺れました。政府のチームは、行商が新鮮なサヤインゲンに見せかけるため乾燥大豆を染めて販売していることを発見します。販売者は大豆をピロ亜硫酸ナトリウムにつけて、本物そっくりに見せて偽っていたのです。

少量のピロ亜硫酸ナトリウムは人体に害はありませんが、一定量を超えると腎臓や肝臓に影響があります。本物のサヤインゲンは調理に時間がかかり値段も張るため、レストランなどの業者は安価な代替え商品を好んで購入していたようです。ただ、2010年以降は偽サヤインゲンの販売は報告されていません。

ラム肉として販売されたネズミ肉

Customers eat mutton in a hotpot in China.
STR/AFP via Getty Images
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中国の高級食材であるラム肉にはかなりの需要があります。そのため、販売者が偽肉を製造してラム肉として販売していたことも驚きではありません。2013年、ネズミ、ミンク、キツネの肉を「ラム肉」と偽り販売していた業者63名が逮捕されました。さらに業者は、本物のラム肉に近づけるため赤い着色料と科学物質を混入させていました。

問題が広範囲に及んでいたため、浙江省の警察ではネズミ肉とラム肉の違いを見極めるためのガイドを発表しました。偽ラム肉には、解凍した時にすぐにほぐれる白と赤の線が入っています。

偽牛肉

A vendor sells beef in a market in Shanghai.
PETER PARKS/AFP via Getty Images
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中国は牛肉の輸出で世界第2位。しかし2013年、政府は20,000トン以上の違法な肉を押収しています。ミンク、キツネ、ネズミの肉からできているこの「牛肉」。水と違法な化学物質を注射して、味や見た目を牛肉に似せていました。

これを受け、警察では「牛肉関連犯罪」で904名を逮捕。危険値の大腸菌を含んでいることもある偽牛肉は、市場で販売されていました。一部がレストランに売却されていたため、毒入りの料理に手を出してしまったお客もいたようです。幸い、過去7年間でこの問題はほぼ解消されています。

果物と野菜に残る農薬

Members of environmental group Greenpeace protest against pesticide fruits and vegetables.
Edward Wong/South China Morning Post via Getty Images
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2000年半ば、中国産農産物の残留農薬に対する懸念が高まります。2006年、グリーンピースが中国産の果物と野菜を調査。問題のない農薬レベルの農産物はたったの30%でした。残りの70%には、DDTV、リンデン、HCHなどの違法農薬が含まれていたのです。

2011年の『フード・コントロール』の研究では、「ほとんどの中国産農産物に含まれる農薬は規定値内である」という結論が下されています。それでも、中国では引き続き農薬使用に関して厳しいガイドラインを敷いています。農薬を検査する選別法を開発し、問題のない農薬コントロールに関するデータベースを確立しました。

汚染されたピクルス

Jars of pickled fruits and vegetables are stacked on top of each other.
Michael Jacobs/Art in All of Us/Corbis via Getty Images
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中国ではピクルスは人気のおやつです。2006年、とある国際的な報告書が四川省のピクルスにはDDVPが含まれている可能性があると発表しました。この毒性の化学物物質は、下痢、吐き気、腹痛を引き起こすことで知られています。

報告者であるシユウ・シンによれば、缶詰の魚もDDVPで「保存」を利かせています。さらに、四川省の人たち自身は四川省産のピクルスには手を出しません。すべて別の州に輸出してしまいます。このスキャンダルは大々的に取り上げられることがありませんでしたが、多くの輸入国の懸念材料となっています。

期限切れ食品を「再利用」

A school serves lunch in reusable containers.
Dickson Lee/South China Morning Post via Getty Images
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中国の温州市にて、市場でリサイクル食品が発見されました。『江南タイムズ』によれば、闇市では賞味期限切れの食品がパッケージを変えて消費者に販売されています。2013年、温州市で販売されていた少なくとも5%の食品が「再利用」され、おそらく期限切れであっただろうと推測されています。

警察によれば、製造者たちは保存料や着色料を使って、食品が新鮮であるように偽っていたそうです。開封し漂白してパッケージし直し、再びスーパーへ。スーパーの従業員にばれないように、偽ったラベルを貼っていた可能性も指摘されています。2013年以降は、このような「再利用」食品は減少しているようです。

違法な赤い着色料

Red colorpowder is stored in buckets for religious use in India.
Frank Bienewald/LightRocket via Getty Images
Benjamin C. Tankersley/For The Washington Post via Getty Images

スーダン1号は、アレルギーを引き起こしガンの引き金になることで知られている赤い食品着色料です。1996年、中国ではスーダン1号の使用を禁止していますが、製造者たちは引き続きこの着色料を使用しています。2005年には、ケンタッキー・フライド・チキンや中国企業のケチャップやチリソースにスーダン1号が使用されていることが発覚しました。

2005年以前はスーダン1号を使用するすべての製造業者を管理することができていなかった中国政府。2017年にニューヨークからやってきた専門家が調査したところ、地元製品および輸入製品のどちらにもスーダン1号が混入していることがわかりました。皆さんも、スーダン1号には要注意です。

有害な歯磨き粉

Saleswomen stand next to toothpaste tubes on the shelves at a supermarket.
LIU JIN/AFP via Getty Images
Zhang Peng/LightRocket via Getty Images

2007年、中国から輸入された歯磨き粉に未記載の化学物質が含まれていることがアメリカ食品医薬品局の調べで分かりました。含まれていたのはジエチレングリコールと呼ばれる成分で、グリセリンよりも安価な増粘剤です。ジエチレングリコール入り歯磨き粉による深刻な被害はありませんが、その前年に同成分が含まれた風邪薬を摂取したパナマ人が死亡しています。

2008年、アメリカ食品医薬品局は中国からの歯磨き粉の輸入の一切を禁止しました。それにもかかわらず、いまだにアメリカ国内ではディスカウントストアなどで中国ブランドが販売されています。アメリカへお越しの際は、Cooldent、Dr. Cool、Everfresh、Superdent、Clean Rite、Oralmax Extreme、Oral Bright Fresh、 Bright Max、ShiR Freshなどの中国ブランドに要注意です。

寄生虫まみれカタツムリ

A spoon dips into spicy snail soup.
Jonathan Wong/South China Morning Post via Getty Images
Jonathan Wong/South China Morning Post via Getty Images

北京では高級食材と考えられているエスカルゴ。2006年、少なくとも70名のレストランの顧客がカタツムリの料理である福寿螺を食べた後に細菌性髄膜炎の診断を受けています。専門家によれば、調理に使用されたアマゾン産のカタツムリに広東住血線虫と呼ばれる病気を引き起こす寄生虫が住み着いていたそうです。

2019年、移民労働者の脳内に13センチのサナダムシが見つかりスキャンダルが再浮上。男性は2004年以来、エスカルゴを口にしていたそうです。幸い、中国ではほとんどカタツムリを輸出していません。むしろ外部から輸入しています。ただ、北京ではこの料理に手を出さないことをお勧めします。

ハギス

haggis
Graeme Robertson/Getty Images
Graeme Robertson/Getty Images

ハギスは伝統的なスコットランドの珍味です。味わいあるプディングは羊の臓物でできています。この臓物には、心臓、肝臓、肺などが含まれています。ハギスは伝統的に羊の胃の中に包まれ調理されていましたが、現在では人工の腸とパイ生地が使用されています。

アメリカでは、羊の肺が含まれているという理由から、ハギスの輸入を禁止しています。痰や胃酸などが肉処理の間に肺に入ってしまうことがあるため、アメリカ合衆国農務省は全ての動物の肺を禁止しているんです。

サッサフラス

Carlie Armstrong smells the root beer scent of a sassafras tree
STAN HONDA/AFP via Getty Images
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サッサフラスは、東部アメリカ原産です。初期の定住民は、長きにわたってハーブのサプリメントやガンボや紅茶などの様々なレシピに使用してきました。伝統的なルートビアの主要な味付けであることから特に人気です。

しかし、アメリカ食品医薬品局はサッサフラスの皮やオイルを味付けや添加物として使用することを禁止しています。19世紀中期から後期にかけて、サッサフラスオイルの主な構成成分であるサフロールには、大量に摂取することでかなりの脅威となり得る発がん性物質が含まれていることが研究でわかったのです。

アキー

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DeAgostini/Getty Images
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アキーは、ライチと同じ分類のフルーツです。西アフリカ原産のアキーは、主にジャマイカで食べられていて、様々なカリブ料理で使用されます。しかし残念ながら、アメリカではアキーやアキー製品の輸入を禁止しています。

アキーには、熟した際に果実の食べられる場所をかなり制限する毒性のヒポグリシンが含まれています。皮や種にも熟した際に同じことが起こり、果実が適切に処理されていないと危険になり得る高い毒性を持っています。

カース・マルツゥ

casu marzu
Enrico Spanu/REDA&CO/UIG via Getty Images
Enrico Spanu/REDA&CO/UIG via Getty Images

カース・マルツゥは、地中海のサルデーニャ島原産です。カース・マルツゥの製造方法があまりにも衝撃的なため、アメリカだけでなくEUでも禁止されてます。

カース・マルツゥは、ペコリーノ・ロマーノの一種で、チーズバエが卵を産むように仕向けます。卵がかえったら、何千ものウジ虫がチーズ中を駆け回って、脂肪を分解し、チーズが発酵。カース・マルツゥ好きは、ウジ虫がのたうちまわったまま頂くそうです。ただ、ウジ虫がすべて死滅してからが食べ時とされています。

ふぐ

fugu
Reinhard Dirscherl/ullstein bild via Getty Images
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日本人にお馴染みのフグは、刺身として頂くのが一般的です。珍味と考えられていますが、フグを食べることはその毒性からかなりリスクが高いと言えます。フグにはかなりのテトロドトキシンが含まれており、適切に処理して毒が取り除かれない場合、命に関わります。

フグの原産国である日本には厳しい法律がひかれています。アメリカでは禁止されてはいないものの、フグを食べることができるレストランは限られています。ヨーロッパでは安全を期してフグの販売を禁止しています。

オオチョウザメキャビア

beluga caviar
Mikhail TereshchenkoTASS via Getty Images
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オオチョウザメキャビアは、カスピ海や黒海に生息するオオチョウザメの卵からなるキャビアです。オオチョウザメのキャビアは珍しくかなり効果で、市場価格は7,000ドルからと言われています。

2000年代初期、オオチョウザメが絶滅危惧種入りしたため、アメリカではオオチョウザメキャビアや他のオオチョウザメ製品の輸入を禁止しました。オオチョウザメは100年ほど生きるとされていますが、密漁や異常狩猟が原因でその数は格段に減ってきています。生産国が保護に関する決まりを導入していないため、これらの地域とのオオチョウザメの貿易は一時停止状態です。

ミラベルプラム

mirabelle plums
Maren Wulf/McPhoto/ullsteinbild via Getty Images
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ミラベルプラムは、主にフランス北東で栽培されている小さくて甘いプラムです。この地域はミラベルプラムにとって理想的な気候と土であるため、世界の生産量の80%はこの場所から来ています。

このカワイイフルーツの何がいけないのでしょうか?問題があるわけではありません。ただ、「保護原産地呼称」としてミラベルプラムの輸入を禁止しています。つまり、アメリカ食品医薬品局はフランスとの間で市場を守ることに合意しており、これによってアメリカ人がミラベルプラムを手に入れることはほぼ不可能です。

生乳

milk
Steve Russell/Toronto Star via Getty Images
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アメリカでは生乳に関する議論が複数されており、これは完全に違法なわけではありません。生乳支持派は成分にたくさんのメリットがあると話していますが、反対者は潜在的に害のある微生物やバクテリアを摂取することになると主張しています。

結果的に、アメリカの半分で生乳を禁止していますが、手に入らないというわけではありません。農家から直接手に入れることができ、また州によっては適切にラベル付けし消費者に明確にすれば店で販売することも可能です。

アブサン

absinthe
Adam Berry/Getty Images
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かつて、アブサンはアメリカで禁止されていました。20世紀になって、アブサンは幻覚や場合によっては死を引き起こすと考えられるようになっていったためです。結果的に、アブサンはおよそ100年に渡って禁止されていました。

アブサンには微量のツジョンが含まれています。この成分は大量に摂取した場合、ひきつけや精神錯乱を引き起こします。しかし最近になって、危険量のツジョンが含まれていないことがわかり、再び合法化されました。ただ、実際には正式に違法だったことはなく、微妙な専門性が一般にきちんと理解されていなかっただけです。

馬肉

horse meat
Jefta Images / Barcroft Images / Barcroft Media via Getty Images
Jefta Images / Barcroft Images / Barcroft Media via Getty Images

馬肉は、日本では珍味とされていて、牛肉を食べるよりも健康的であるという見方もあります。しかし、2007年、フェデラル・ホース・スローター・インスペクションへの資金援助を停止し、アメリカでは馬肉を禁止しました。しかし、馬を食べること自体を禁止する必要まではなかったかもしれません。ただ、世界の他の国と比べると、アメリカや多くの西洋の国では馬を食べることはタブー視されています。

歴史的に言えば、馬は仲間や戦争における必要な道具として認識されてきました。そのため、馬を食べることはイヌを食べることに似ています。しかし、アメリカや日本では信じがたいかもしれませんが、世界では犬を食べる場所も存在します。

フォアグラ

foie gras
PATRICK BERNARD/AFP/Getty Images
PATRICK BERNARD/AFP/Getty Images

フォアグラはアメリカで禁止されているわけではありませんが、カリフォルニアでは問題になります。フォアグラは、フランスの珍味である、太らせた雁またはカモの肝臓です。

カリフォルニアでは禁止されており、かなりの議論の的です。本国フランスでも、倫理的な観点を問われています。フォアグラの生産者はかなり人道に反しており、カモや雁をケージに入れて動かないようにして、肝臓を太らせるために1日に何度もチューブで無理矢理食事をさせます。しかし、フォアグラを人道的に生産する方法も存在し、そのため全面禁止には至っていません。

ツバメの巣

bird nests
SAEED KHAN/AFP/Getty Images
SAEED KHAN/AFP/Getty Images

ツバメの巣は、アナツバメによって作られます。アナツバメの唾液は、固まって巣を形成します。これらの巣は、特に中国で人間が消費するために生産され、中国料理では何百年にも渡って使われています。伝説によれば、定期的にツバメの巣を食べることでより良い健康と長寿を促進します。人気の食べ方は、スープです。

アナツバメは現在絶滅保護種とされており、そのためツバメの巣の消費には厳しい法が課せられています。益々珍しくなったため、お値段はさらに高騰。環境的な問題に加え、巣から鳥インフルエンザを輸入してしまう可能性があると懸念がされています。

クイーン・コンチ

queen conch
Inger Vandyke /VW PICS/UIG via Getty Images
Inger Vandyke /VW PICS/UIG via Getty Images

フロリダでは、クイーン・コンチを捕獲することは違法です。クイーン・コンチは柔らかいボディを持っていますが、分類的にはハマグリやカキと同じです。フロリダでは禁止されているものの、主にカリブ海原産の国際的に取引されているクイーン・コンチの80%がアメリカで消費されています。

クイーン・コンチは、主に浅い海やサンゴ礁の上で育ちます。それに加え成熟するまでに時間がかかるため、乱獲の影響を受けやすく、絶滅危惧種とされています。フロリダでは合法的に捕獲することができないものの、輸入されたクイーン・コンチを手に入れることは可能です。

マンゴスチン

mangosteen
MyLoupe/UIG Via Getty Images
MyLoupe/UIG Via Getty Images

マンゴスチンは東南アジア原産の熱帯フルーツで、複数の健康メリットがあるため生産されています。最近まで、アジアのフルーツを北アメリカに輸入することを不安視して、アメリカではこのフルーツが禁止されていました。

マンゴスチン輸入への禁止は現在解消されていますが、海外の虫や動物をアメリカ国内に入れないための洗浄処理が行われなくてはいけません。

ズアオホオジロ

ortolan
DEA / F.BALLANTI/De Agostini/Getty Images
DEA / F.BALLANTI/De Agostini/Getty Images

ズアオホオジロは、28グラムほどしかない小さなスズメ亜目です。ズアオホオジロは主にヨーロッパの温かい地域・南フランスに生息してます。密猟者たちのお陰で危険にさらされているため、食べることに関しては様々な議論がされています。また、多くの人がズアオホオジロの捕獲や殺戮は残酷であると考えています。暗い罠で捕獲して、太らせるために穀物を無理やり食べさせられ、最後にブランデーの中で溺れさせます。最後の工程は、調理前の味付けの意味があります。

この鳥を食べる際には、自分の頭をナプキンで隠すことが儀礼となっています。恥ずべき行為を行っているという事実を隠蔽しようとする意味があるのかもしれません。

チクロ

sodium cyclamate
STR/AFP/Getty Images
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チクロは、アメリカで禁止されている人工甘味料です。しかし、他の国の殆どでは完全に合法であり安全に食べることができます。

1970年、アメリカ食品医薬品局ではチクロの使用の全面禁止を呼びかけました。確定的ではないものの、研究によってこの甘味料には微量の発がん性物質があることがわかったためです。他の国では口にしても安全ということで、アメリカでも合法を求める運動が行われていますが、改定には至っていません。

生乳チーズ

cheese
FRANCOIS GUILLOT/AFP/Getty Images
FRANCOIS GUILLOT/AFP/Getty Images

生乳チーズは、生乳同様アメリカで禁止されています。輸入チーズは厳しいガイドラインに沿っていなければ、店で販売できません。低温殺菌された牛乳で作るチーズまたは60日熟成したチーズのみが、アメリカの国境を超えることができます。

この禁止は、アメリカではブリーやカマンベールなどのチーズを販売することができないということを意味します。アメリカで食べるブリーチーズは本物ではないんです!本物のチーズの喜びを体験するには、アメリカを出る必要があります。もちろん、自分の手を汚したくない人は密輸入者にお願いしてください。

ウミガメ

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Photo Credit : FREDERIC J. BROWN/AFP / Getty Images
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絶滅危惧種であるため、ウミガメが食料として禁止されていることは驚きではないですよね。ウミガメの種によっては、1978年から絶滅危惧種に指定されています。レストランがカメのスープを出していると通報された場合、10,000ドルの罰金を科されます。

一番深刻な罪はカメの卵の販売です。メスのカメは100個以上の卵を一度に産みますが、海にたどり着くのは1%以下。フロリダ在住の男性は、92個のカメの卵を所持していたとして逮捕されました。ブラックマーケットでは、12個30ドルで取引されています。捕まった場合、5年間の収監と5,000ドルの罰金が科されるため、違法行為をするだけの価値はあまりありません。