クルーズ船乗組員の秘密の生活

家賃や食費を払わずに世界中を旅行したいかと聞かれたら、もちろん、その答えはイエスだろう。こういった理由から、クルーズ船の乗組員になるという考えは非常に魅力的だ。だが、クルーズ船には我々が知らない側面がある。客がプールサイドでゆったりとくつろいだり、食べ放題のピザを頬張ったりする一方で、常に客のニーズに応えるべく、クルーズ船上で忙しく働いている人がいるのだ。ハンドタオルで作られた動物は、どこからともなく客室のベッドの上に現れるわけではない。

乗組員らが客に知られたくないこと

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Yuri SmityukTASS via Getty Images
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クルーズ船は本来、海に浮かぶホテルのようなものだ。そして、サービスとおもてなし業界で働くことは、決して容易いことではない。応募用紙に記入して乗組員として出港する前に、元乗組員から得た舞台裏の秘密を見てみよう。

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常に監視されている

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Mohssen Assanimoghaddam/picture alliance via Getty Images
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大手クルーズ船会社にウェイターとして勤務した経験を持つギャビンが、メンタル・フロス誌に語ったところによると、ビッグ・ブラザー(ジョージ・オーウェル作のSF小説)が現実になっていたと言う。つまり、文字通り、クルーズ船のあちこちにカメラが仕掛けられているのだ。文字通り、海の真ん中を漂う巨大船に乗っているのだから、安全面を考慮してというのが最大の理由だ。もうタイタニック号のような悲劇は起こらないだろうが、それでも非常事態があれば、乗組員らはこうしたカメラで収められた映像を確認しなければならない。

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「客室を一歩でも出たら、どこかのカメラに映っていると考えた方がいいでしょう。」とギャビンは言う。「どのような非常事態が起きても、いつでもこの監視カメラ映像を取り出すことができます」

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二重生活を送っている乗組員もいる

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一年のほとんどを海の上で、しかも社会から切り離された状態で過ごせば、大きな秘密を隠して生活することも容易だろう。こうした理由から、クルーズ船の乗組員の多くは、船上で普段とはまったく違う二重生活を送っている。船上で見かけるカップルの男性の家には妻がいたりするといったことも珍しくはない。出港して国際水域に出てしまえば、結婚の誓いはあまり意味をなさないらしい。

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また、陸上ではゲイであることを隠している男性が、船上ではオープンに公表しているというケースも報告されている。普段の社会から切り離されることで、陸上においては自分が考える「こういなければならない自分」を脱ぎ捨て、なりたい自分になることができるのだろう。

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世界からの分断

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ゲーム・オブ・スローンズや大好きなテレビ番組を見ることを忘れてしまおう。クルーズ船で働いていれば、一般的なニュースに疎くなる。大好きな人気テレビ番組の続きが見れないのは辛いだろうが、どうしてもテレビを見れないときもある。というのも、海上でのインターネット接続費用は非常に高く、さらにネット状況が不安定だからだ。港に着いてから、最後にニュースを見た日以降のニュースをまとめて見るということもしばしばある。こうした理由から、乗組員の多くは、ニュースやスポーツ、その他世の中の流行などを追わないことにしている。

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乗組員らは暗号で話す

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Lucas Oleniuk/Toronto Star via Getty Images
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乗組員らは乗船客を不安にさせたくはない。客は休暇でクルージングを楽しんでいるのだから、特に客と関係のない事柄であれば些細な事態のすべてを知る必要はないのだ。たとえば、突然乗船客全員にボヤがあったと知られた場合、どのような事態が起こるか想像に難くない。船上は大パニックでめちゃくちゃだろう。このため客を不安がらせることなく、船内放送で全乗組員に通知するための特定の暗号がある。

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たとえば、「コード・アダム」は迷子を意味し、「コード・アルファ」は医療的緊急事態を、「コード・オスカー」は誰かが船外に落ちたことを、「コード・ブラボー」は船上で火災があることを意味している。上の写真は、2006年の夜中にスタープリンセス号で火災が発生した「コード・ブラボー」の様子を示している。この火災は、ポイ捨てされたたばこの吸い殻が原因であると考えられている。

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乗組員らは客よりもパーティーで騒ぐ

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よく働き、よく大騒ぎする-このモットーは乗組員らに当てはまる。乗組員らは働いていないとき、おそらく飲んでどんちゃん騒ぎをしている。実際、乗組員らには、特別な「乗組員のみ利用できる」バーがあり、酒が安く買える。たとえば、客が酒を買おうとすれば、たいていのクルーズ船では一杯15ドルくらいかかるが、乗組員用のバーではカクテルが1.50ドルもしない。乗組員らは確かによく遊ぶが、勤務に支障が出ないように気を付けなければならない。いつもではないとは言え、ときに従業員らに対し、ランダムにアルコール検知器やドラッグテストが行われるからだ。しかしながら、トレンド・チェイサーのインタビューに答えた元乗組員は、船の上ではこうした規則が緩くなっていると語っている。

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「乗組員らは酔っぱらうほどにお酒を飲むべきではありません。実際、酔っぱらってはいけないと、全員に言われています。それでも人事部の人とバーに行くと、その人が4、5杯飲んでいたりするのです」と元乗組員は打ち明ける。明らかに、勤務中にも飲酒しており、気づかれないようにしているだけのようだ。恥をさらさない限り、大丈夫ということか。

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乗組員は客と一夜を共にしない

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乗組員として海の上にいるときに浮気相手を探しているなら、休暇中の客は避けるべきだ。乗組員らは客とそういう仲になることは厳しく禁じられており、罰として仕事を解雇される。実際、トレンド・チェイサーの匿名インタビューを受けた乗組員によると、客と一対一でやり取りをしないようにしているようだ。こうすることで、クルーズ船会社は評判を落としかねない告発を防ぐことができる。この規則を破っていることがばれた場合、次の停泊港で船を降ろされる。

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実際の乗組員らの性生活は

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客と一夜を共にしてはいけないからといって、乗組員らが海の上で禁欲生活を送るというわけではない。実際、これはまったく逆だ。乗組員らはよく乗組員同士で寝たりする。考えてみてほしい。乗組員らは陸を離れてほぼ一年間、船上で同じ人達と過ごすのだ。アルコールが手軽に飲めて、ロマンチックでエキゾチックな場所に立ち寄ったりする。乗組員同士でくっついたり離れたりということも生まれやすいだろう。トレンド・チェイサーのインタビューに対し、前出の乗組員もよくあることだと答えている。

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「いつもこういったことは起こっています。乗組員らのためのパーティーも多いですし」と語る。あまりに多いために、乗組員らが生活するエリアには性感染症防止を呼びかけるポスターが掲示されているという。

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乗組員らは客にいたずらを仕掛ける

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James D. Morgan/Getty Images
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海の上ではすぐに飽きてしまうことがある。こうした単調さを打ち破るため、乗組員は客にいたずらを仕掛けることがある。いたずらは無邪気なものでなければならない。客を激怒させてしまっては、クビになってしまう。

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メンタル・フロス誌に語った匿名の乗組員によると、「私のお気に入りのいたずらは、客がいるエリアでみんなに聞こえるように他の乗組員に大声で「今晩ボーリング場で会おう」と言ったりするものです。もちろん、ボーリング場などありません。その後、客からコメントカードがきたりします。「どうして乗組員はボーリングができて、客の私たちはできないのでしょうか」とかいった内容の」笑いが止まらないことだろう。

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クルーズ船会社が売れ残りのチケットを売る方法

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クルーズ船は港を離れるとき、積めるだけの荷物を積み、乗組員らを乗せて、準備万端で出港する。客室に空きがあるということはつまり、クルーズ船会社に損失が出ているということを意味している。これを利用して、客はクルーズ船の体験を割引価格で購入することができる。

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もし出発まで1~2ヶ月しかなくても自分の都合をつけることができる場合、また、バルコニーがない客室でも構わない場合、これは非常にお買い得となる。クルーズ船会社のメーリングリストに登録し、こういった割引が行われる客室について最新情報を受け取れるようにしよう。他にも、乗りたいと思うクルージングの料金支払期日の一週間後にウェブサイトを見てみよう。「モック・ブッキング(見せかけ予約)」を実行すると、割引価格となった客室の空き状況を確認できるだろう。こうして割引価格の客室情報を得ることができる。

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乗組員らの派閥

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Peter Bischoff/Getty Images
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クルーズ船は高校のようなものだと言える。みんなが1つの大きなグループに属すというよりは、小さなグループがいくつか存在する。しばしばこのグループは出身地ごとに分かれていることもある。というのも、クルーズ船は世界中から多種多様な乗組員を乗せているからだ。乗組員らは自分らのグループを「マフィア」と呼び、それぞれ何らかの特徴を持っている。

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たとえば、メンタル・フロス誌に元乗組員が語ったところによると、その乗組員が乗船した船にはフィリピン人マフィアがあり、(乗組員用バーが午前1時か2時を回ると閉店するのだが)その後、酒を高値で販売していることで知られていたようだ。

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非常事態はときに吐き気を催すほどだったりするかも

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この都市伝説を耳にしたことがあるだろうか。クルーズ船で出されたエビが新鮮ではなく、そのために船全体で食中毒を起こし、あまりに大人数が一度に食中毒になったためにトイレや洗面台が機能しなくなりそうになった、という話だ。こういったことは非常に稀だが、起こり得る話ではある。いや実際、それは起こったのだ。

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2013年、カーニバルクルーズ船は、エンジン室での火災後に電力を失った。乗船客らはメキシコ湾沖合で足止めをくらったが、あまりにそれが長い時間であったため、下水が逆流し始めた。そして未処理の汚水が船全体に逆流し、悪臭が漂い始めた。そのため、人々は悪臭が届かないエリアにテントを張って、そこでやり過ごすよりほかはなかった。やれやれ。

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すべての乗組員用の部屋は同じではない

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乗組員であれば、豪華な客室でくつろぐことはないだろう。だが、船での役割によって与えられる部屋は異なる。船長をはじめとする職員にはAデッキ、つまり水上の(太陽の光があたる)1人部屋が割り振られている。しかしながら、ロイヤル・カリビアン・ラインに乗船して働いたアンソニー・アンドリュークスによると、ほとんどの乗組員にとって生活状況はまったく良くないという。

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「生活環境は「キツイ」ものでした。与えられた部屋は太陽の光が当たらない下の方のデッキです。もちろん部屋に窓はありません。(やってみましたが)誰かと寝ることなどできない、1人がちょうど寝転がれるくらいの小さな二段ベッドがあるだけです。部屋の広さがどのくらいかというと、真ん中に立って手を伸ばせば、四方の壁に触れるほどです。おそらく10平方フィートくらいといったところでしょうか」

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乗組員らは海賊船の攻撃に対応するよう訓練を受けている

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2017年のこのご時世に、海賊がいるなどと考えもしないだろうが、実際に海賊はまだ存在する。海賊がこうした巨大なクルーズ船を乗っ取るということは非常に稀だろう(かなりの頭数を集めなければならないのだから)。しかしながら、万が一の場合に備えて、乗組員らは海賊と戦う訓練を受けている。

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プリンセスクルーズやオーシャニアクルーズなどのクルーズ船会社は乗組員らに、客を窓から遠ざけ、巨大な放水銃で侵入者に対応するように指導している。クルーズ船はあまりにも大きいため、そこから繰り出される水量によって小さな海賊船は圧倒されることだろう。中には攻撃を阻止する目的で、大出力の音波を投射する長距離音響装置を装備している船もある。実際、2005年には、アフリカ沖で海賊の攻撃から免れるため、この長距離音響装置を使用した豪華客船の例もある。

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乗組員はクルーズ船の所有物?

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元クルーズ船乗組員のブライアン・デイヴィッド・ブランズは、カーニバルクルーズライン社で契約満了までに辞めなかった初めてのアメリカ人として、2015年に「クルーズ船の秘密」という暴露本を著している。ブライアンはその中で、クルーズ船の乗組員として最悪の体験はクルーズ船の所有物かのように扱われたことだったと説明している。「この仕事の最悪なところは、会社の「所有物」として扱われるところです。食べる物だけでなく、いつ食事をするか、いつトイレを使えるか、部屋の温度調節に至るまで、すべてを会社が管理するのです」という。これは大変だ。

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乗組員らは客の残り物を食べる

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Jeffrey Greenberg/Universal Images Group via Getty Images
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食物連鎖に例えると、乗組員らは最も底辺にいる。つまり、与えられるのは残り物だ。それはまるで高校の食堂で出される食べ物のようなものだが、それよりも悪い。キッチンのスタッフは工夫して、あまり手をかけずに済むようなものを出すが、それがいつも食べたくなるようなものであるとは限らない。頻繁にヤギの足のシチューなどが変わったものが出されたりするのを想像してみよう。

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ラッキーな乗組員は客の残り物を食べることができる。シフト勤務の終了後、客用に作られたビュッフェに残ったものを食べることができる。もちろん、美味しいが、それも乗組員すべてが食べられるほどはない。

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乗組員らは客から奇妙な要望を受けることがある

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サービスやおもてなし業界は、変わった話のネタの宝庫だ。何を頼まれるか分からないため、何でもできるように準備しておかなければならない。乗組員らは海の上で、客から変わった要望を受けることに慣れている。USAトゥデイ誌によると、乗組員の一人に、若いカップルから奇妙な要望が出され続けたそうだ。この時点で、乗組員は驚くよりももうすでに慣れっこになっていることが多い。

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「若いカップルの中には、「大人用にタオルで動物を作ってくれない?」とエッチな動物を作ってもらいたがる人もいました」と彼女は言う。「そうしたときには、「申し訳ございませんが、ご提供することができません」と答えます」

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チップは最高

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バーテンダーのように、乗組員らの給料は多くが客から受け取るチップによるものだ。社交的で陽気でない乗組員はチップがたくさんもらえないかもしれないが、心配無用だ。クルーズ船の多くは、客への請求書にすでに最小限額のチップを含めており、それが乗組員すべてに分けられる仕組みになっている。

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そういう意味では、乗組員らの給料は良い方だと言える。多くの乗組員らは家族に送金したり、貯金をしたりすることができる。船上では特に生活するための費用がかからないため、節約するのも簡単だ。塵も積もれば山となる。

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休みはない

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ANDREA PATTARO/AFP/GettyImages
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もしあなたが週末を楽しみたいタイプの人間なら、クルーズ船で働くことをお勧めしない。ほとんどのクルーズ船の乗組員には1日たりとも休みはない。たいていの場合、乗組員らの契約では9ヶ月間休みなく働くということになっている。

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しかしながら、これはそこまで酷くはない。乗組員らは毎日働くが、基本ローテーションが組まれている。丸一日の休みがない代わりに、自由に過ごせる時間が毎日数時間ある。契約が終われば、2ヶ月間にわたる楽しい長期休暇が得られる。2ヶ月も休みがあればどんなことができるか考えてみよう。

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寄港先では取り残されることも

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港に到着してからの上陸は、クルージングの一番の楽しみだ。寄港する美しい街並みを見たくない人などいないだろう。客(と数時間の休憩に入った乗組員ら)は自由に散策できるが、出港予定時刻に間に合うよう、時間通りに船に戻った方が良い。クルーズ船は客の頭数を確認することなく、時間がきたら出港する。

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決められた一定の停泊時間を超過したクルーズ船は、巨額の罰金を被る。このため誰かが遅れたとしても待ってはくれないのだ。もし出港時間に間に合わなければ、自分で何とかしなければならない。ひぇー!

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ダイエットにうってつけの仕事

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クルーズ船会社はよく、船内でオシャレなデザートやシーフード、その他の美味しそうなご馳走を提供することで知られている。だが、乗組員らの分は言わば貧乏くじのようなレベルだ。あるクルーズ船乗組員のレディットへの書き込みによると、学校の給食と同じレベルで、「高校の食堂で1日3食、毎日毎日、1年間食事をするような感じ」とある。「ヤギの足のシチュー」のような変わった料理が出されたという乗組員もいる。やれやれ。元乗組員のキャットがメンタル・フロス誌に語ったところによると、乗組員の食生活は減量するためのダイエットのようなものだとか。「契約でクルージングに出る度に、4~5キロは痩せた」と言う。

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客と乗組員のお付き合い禁止

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乗組員同士の恋愛関係はまったく推奨されないこととは言え、実際には起こっている。しかしながら、客と乗組員とが恋愛関係に発展することがあってはならない。こうした恋愛関係は世界中のクルーズ船会社で厳重に禁止されている。万が一、客と恋愛関係に発展した乗組員がいて、それが会社に発覚した場合、乗組員は即座に解雇される。こうした規則は、もちろん、会社がいかなる訴訟や悪評に直面しないための対策だ。クルージングで恋愛を求めているなら、乗組員とは始めない方が良い。少なくとも、声をかける前にみんなが上陸するのを待った方が良い。

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船内は常に監視されている

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現在のところ、クルーズ船会社は客だけでなく、乗組員らからも訴えられたリしないように細心の注意を払わなければならない。クルーズ船会社が自身を守るために講じている措置として、防犯カメラを船内のあちこちに設置している。実際、自分の部屋を一歩出たら、どっきりカメラに映っているようなものだ!常に監視下にあることに不安を覚える人もいるだろうが、安全のためにも防犯カメラはあった方がいい。イギリスでは至るところにCCTVが設置されているが、犯罪率を低減する一助となっている。

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船内には遺体安置所まで

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誰かがクルージング中に死んでしまうなどということは考えたくもないが、これも起こりうることだ。毎年およそ200名の人がクルーズ船で亡くなっており、船が寄港するまでの間、遺体を安置する場所が必要だ。そのため、多くの船には小さな遺体安置所があり、5体ほど安置できるようになっている。

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遺体安置所は高齢者向けのクルーズ船ではさらに普及している。高齢者向けのクルーズ船の乗組員によると、そうした船には必ず遺体安置所があると言う。「高齢者向けのクルージングを提供していることから、定期的にクルージング中に人がお亡くなりになることに遭遇しています」

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コメントカードは重要

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クルーズ船に乗船したことがあれば、旅の終わりにコメントカードへの記入が求められることをご存知だろう。素晴らしい経験や不満に思ったことを自由に記入できるようになっている。サービス業界では、客からのフィードバックにコメントカードを利用するのは一般的だが、クルーズ船会社ほどコメントカードを重視する企業もなかなかないだろう。クルーズ船会社では、客からの評価をかなり深刻に受け止める。良い評価も悪い評価もすべて、乗組員らの給与やボーナスに反映され、ひいては解雇にも繋がる。というわけで、もしクルージングに行くことがあって、楽しい体験をしたのであれば、好意的な感想を残すことをお忘れなく!

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アメリカ人は一般的に、良い乗組員になれないことが多い

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乗組員らにとって、クルージング中の勤務は過酷だ。乗組員らは長時間勤務で、ひと月の労働時間が300時間を超えることもしばしばある。これは、アメリカ人の週に40時間働き、週末はゆっくり過ごすという考え方には合わない。そのため、クルーズ船会社の乗組員のほとんどは、アメリカ以外の国から来ていることも多い。

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メンタル・フロス誌のインタビューに答えた乗組員のキャットによると、離職率が高すぎるため、多くのクルーズ船会社ははじめからアメリカ人を雇用しないという。さらに、異なる通貨制度を持つ発展途上国の人達にとっては、1米ドルはそれ以上の価値を持つため、アメリカ人を雇用するのは高くつくということもある。これは正しいこととは言えないが。

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海の上でも遵守すべき法律はある

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これは多くの人にとっては、当たり前のことのように思われるかもしれないが、陸の上にいないからといって、クルージング中にはどんな法律も遵守しなくてもよいというわけではない。ここでいわゆる「海事法」が出てくる。残念ながら、オーストラリアへのクルージングを楽しんでいたカナダ人カップルのイザベル・ラガセとメリナ・ロベルゲ(上記写真参照)は、こうしたことについて知らなかったらしい。売ればおよそ2300万ドルにも値するコカインを200ポンドも密輸しようと試みた。現在、2人は裁判にかけられ、最長20年の実刑判決を受けている。なんてこった。

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客がホラー映画のような一幕を目撃

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2015年12月、クルーズ船カーニバル・エクスタシー号の客と乗組員らは、恐ろしい死亡事故の目撃者となった。客の1人、マット・デイビスとその妻は、思いがけずホラー映画から抜け出したようなシーンを目の当たりにした。「エレベーターを見ると、大量の血がしたたり落ちていて、しかも止まる様子もなかったんです。まるで映画「シャイニング」の世界にいるかのでした」とデイビスは述べている。恐怖におののいた夫婦は、「まるで豪雨のよう」な血の雨だったと説明している。乗組員の1人は、その間に他の客を近くにあった船内レストランの方へ誘導しようとしていた。

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電気技師の不気味な死

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客のマット・デイビスとその妻が目撃した状況の動画を撮影していた間に、不幸にも、乗組員の1人がこの事故で実際に命を失った。この時、マットや他の客は皆、世にも恐ろしい事故に目を疑った。結果的に、このエレベーターはクルージングを終えるまでの残りの期間、ずっと封鎖されたままになった。後に、このエレベーターで電気技師が作業していたという事実が明らかとなった。さらに、その乗組員は電気技師のホセ・サンドバル・オパゾ(66歳)だと判明した。オパゾはエレベーターの修理作業をするために、安全装置を解除していたため、エレベーターが降下した際に、下敷きになってしまったのが、早すぎる死の原因となったようだ。

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クルーズ船の「作戦指令室」?!

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どうやら多くのクルーズ船の船内には「作戦指令室」があるようだ。もちろん、この作戦指令室は緊急時にのみ使用されるために装備されている。そしてアメリカ合衆国政府のように、船内の作戦指令室もとりわけ緊急時に計画を立てるためにある。たとえば、前述した海賊による攻撃があった場合などは、この作戦指令室が使用される最たる例だろう。中には、こうした目的に使われる部屋を「安全センター」と呼ぶ船もあるようだ。どういった名前で呼ばれようと、この部屋は客と乗組員を危険にさらすやもしれない危機的状況下においては必要不可欠なのだ。

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コスタ・コンコーディア:乗組員の最悪の悪夢

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2012年、乗組員にとっても客にとっても、もっとも恐れていたことがコスタ・コンコーディア号で起こった。イタリアを拠点とする船だったが、トスカーナ沿岸で岩に衝突した後、転覆して沈没したのだ。34名が死亡したが、そのほとんどが客で、乗組員は1人だった。この事故の最中の混乱で、64名が負傷した。船長と乗組員らは、すべてのクルーズ船で習慣化されているはずの救命ボートでの避難訓練を実行せず、その他にも非常事態にすべき措置を講じなかった。後に、船長のフランチェスコ・スケッティーノは、船長にあるまじき行為をしていたことが判明した。船が転覆したとき、偶然にも救命ボートに「落ちた」と証言している。

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スケッティーノ船長の裁判

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フランチェスコ・スケッティーノ船長は、後に、乗船客の死に対し、過失致死罪の判決を受けている。さらに、船長は船内で禁止されていた、恋愛関係にあったことも明らかになった。船長は船内エンターテインメントのダンサーであるドムニカ・セモルタンと関係を持っていたことが明らかになった。この事故が起きた重大な夜に船長が集中して任務にあたれなかったのは彼女の責任だと言う人もいる。後に、船長は客と乗組員らを見捨てて、自分だけヘリコプターで逃げる計画を立てていたようだと彼女は暴露した。2015年、スケッティーノ船長は懲役16年の実刑判決を受けた。

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巨大波の恐怖

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巨大波とは、どこからともなく現れる巨大な波のことで、しばしば船舶に大きな損害を与えている。こうした波は、「モンスターウェーブ」だとか「気まぐれ波」だとか呼ばれたりすることもある。周りの波と異なる周期の波は巨大波だと見なされる。航海に出ていた船が何年もの間行方不明になるのも、こうした波で説明がつくと見なされることもしばしばだ。もちろん、乗組員にとっても客にとっても、巨大波は恐ろしいものだ。残念ながら、海は誰にも制御不能であり、多くの船がこうした恐ろしい力をまざまざと体験している。

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ロイヤル・カリビアンクルーズ船が直面した30フィートの波

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昨年、ロイヤル・カリビアンのクルーズ船がフロリダ州のカナベラル港に向かう途中、ニュージャージー州まで押し流されるという事態が起きた。船は嵐に直面し、波は最高30フィートの高さにも及んだ。このときの嵐で、巨大波が数回発生したことが確認されている。船内でエンターテインメントを提供していたミュージシャンであった乗組員は、動画撮影をしており、この動画では彼自身の客室の窓にまで波が到達していたことが確認されている。この嵐で4名が負傷し、船にも多大な損害をもたらした。他にも、破損した植木鉢や、ひっくり返っているテーブルやイス、穴のあいた天井の写真などが投稿された。ひぇー!

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ディズニー・クルーズの乗組員が失踪

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クルーズ船で犯罪が起こることは極めてまれだが、大勢の人が集まる場所では何かしら起きることもある。特にアルコールが絡んでいるときには。ディズニー・クルーズ船の乗組員が失踪する事件があった。24歳のイギリス人女性、レベッカ・コリアムは、2011年メキシコ沖でディズニー・ワンダー号での勤務中に失踪した。レベッカが乗組員ラウンジにいるのがCCTVシステムに記録されていたが、これが彼女の様子を捉えた最後の記録だ。誰かと電話で話している様子がカメラに映し出されていたが、悩んでいる様子だった。

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レベッカの謎

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レベッカ・コリアムの失踪は、ディズニー・クルーズ・ライン史上初めてのことだった。レベッカはイギリス出身で、ユースワーカーとして船内で勤務できることを喜んでいた。しばしば家族ともフェイスブックやスカイプで連絡を取っていた彼女から、12時間もメッセージに返事が返ってこないことで、母親は心配を募らせていた。その晩、ディズニーの代表者から連絡があり、レベッカの失踪が知らされた。メキシコ海軍やアメリカ沿岸警備隊を交えた捜索が開始されたが、レベッカの足取りは一つもつかめていない。

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失踪についての諸説

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レベッカの両親はディズニーのこの事件への対応に不満を抱いており、ディズニーは悪評をたてないように必死だったと語っている。のちに非公開で示談となったが、レベッカは依然として行方不明だ。彼女の両親は後に、捜査を行ったはずのバハマ当局が、ほんの数名の乗組員らに話を聞いただけで客には接触していないこと、下船するまでたった1日しか船内にいなかったことを知った。この船の船長は彼女の両親に対し、レベッカは乗組員プールにいた時に巨大波によって誤って船外に流されたのではないかと思うと語ったが、両親には到底信じられるものではなかった。レベッカは何らかの犯罪に巻き込まれたのではないかという者もいた。彼女の失踪から1年、レベッカの父親はレベッカをイタリアで見たというメールを受け取った。父親はその情報は正しいのではないかと考えているものの、レベッカは未だに見つかっていない。

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船から落ちる?

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2015年、1人の男性がメキシコのコスメルで、ロイヤル・カリビアンのクルーズ船から海に落下した。彼は22歳のアメリカ人で、5時間海中を漂った。驚いたことに、別のクルーズ船ディズニー・マジック号がこのエリアを航海中だった。この若い男性は運が良かったに違いな。ディズニー・マジック号の乗船客が彼を見つけたのだ。乗船客は彼に向って、救命具などをいくつか投げ込み、乗組員らが救助することに成功した。当然、この男性には治療が必要だったが、奇跡的にも無事だった。当局は、無傷での救助は魔法のようなものだったと語っている。「たいていは落下の衝撃で首の骨が折れたりするんです。コンクリートに叩きつけられるようなものですから」

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乗組員らが大酒飲みである理由

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Wolfgang Kaehler/LightRocket via Getty Images
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クルーズは羽を伸ばせる場所として知られている。もちろん、客がリラックスできるのは当然のことながら、乗務員にも同じことが言えるということはご存知だろうか。クルーズ船の乗組員らはパーティー好きの大酒飲みで悪名高い。一般的に、乗組員らスタッフには、客の目につかないところにスタッフ専用のバーがある。クルーズ船の飲み物は高額であることは周知のとおりだが、乗組員専用のバーではカクテルなどが1.25ドルから買える。乗組員らとどんちゃん騒ぎする方が、デッキで飲み食いするよりも経済的なのは明らかだ。それに、アルコールは窮屈な部屋での生活を紛らわせるのに一役買ってくれることは間違いない。

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大学寮のルームシェアならぬ客室シェア

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Getty Images News
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クルーズによるが、乗組員の中には、他の乗組員にはもっと広い部屋があてがわれている一方で、とてつもなく小さな部屋で寝泊まりしなければならない者もいる。しかしながら、広い部屋にはそれなりの人数が割り振られることになる。ときに、クルーズ船は11名の乗組員らが1つの部屋で寝起きを共にする「寮のような」部屋をあてがう場合がある。元乗組員の中には、こういった寮のような生活はすぐに飽きるという者もいるが、働きさえすれば旅ができて、船にいる時間を十分に楽しめるという者もいる。客側としてクルージングを体験した方が良さそうな気はする。