彼女から首のマッサージを頼まれた彼、その時何かの違和感に気づく

エミー・コレットとジェイク・コーツの2人は、どこにでもいるごく幸せなカップルだった。ある日、小学生から約10年ぶりに再会した二人は、改めて連絡を取り始め、そこから、二人はお互いの事を意識し・・・とここまでは、まるで現代ラブストーリーの映画のような始まりだ。しかし、ある日彼氏のジェイクは、彼女のとんでもないことに気づいてしまうのだ。これから待ち受ける二人への試練は、私達の想像を絶するものだった。二人の愛の絆と、彼女の強さに目が話せない。

幼馴染の仲

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エミーとジェイクは、彼らがまだ11歳の頃に小学校で出会った。彼は、ウェールズのモンマス出身で、彼女はウィルトシャーのラッキントン出身だった。幼馴染として育った彼らの絆は、昔からとても強かった。

そして幼馴染という存在から、すぐにお互いを意識するようになったのだ。長い年月に渡り二人の絆はより強くなっていった。しかし、この絆こそが今後の生活に大きな影響を与えることを、この時の2人はまだ知らなかったのだ・・

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純粋な恋愛

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エミーとジェイクは、明らかに好き同士だったが、お互いの感情を認めるまでに、16歳までかかった。2人は、3年間の間、デートを重ねていったのだ。「学校でジェイクを気になり始めた11歳の頃から、かなりの時間が経っていたわ。ある日突然、彼に”君は僕の運命の人だ”って言われたわ。」

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まるでおとぎ話のような純愛物語が、二人には待ち受けているはずだった。長い間、お互いの本心には触れず、穏やかに関係を育んできたエミーとジェイク。可愛らしいカップルの物語は、まだ始まったばかり。

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自分の道をいく...

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高校生活も終わりを迎えようとしていたとき、2人はお互いの将来について決断しなければならなかった。ジェイクは、「君は僕の全てだ。もし、君がまだ僕と一緒にいてくれるなら、いつか結婚したい。」と書いたメモをエミーに渡した。

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彼らはお互い、関係を続けたかったが、大学に行かなければならないのも事実であった。話し合った結果、まだ若かったカップルは、お互い別々の大学へ進学することを決心したのだった。

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再び熱を取り戻す

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彼らは別の大学だったが、それでも在学中は、割と近くにいることができた。彼らの密接な絆は、いくらか輝きを失ったかもしれないが、愛はまだそこにあった。そして2015年、彼らはまた熱を再燃させることになるのだ。

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その彼らのロマンスが、再び戻ってくるまで10年、もしくはもっとかかったのかもしれない。お互いに自分にとっての正しい道を見つけている最中だった。そうこの時点で、彼らは20代に突入し、本格的にキャリアを積み始めていたのだった。

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余計なマイル数があっても

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2人で人生を一緒に過ごせること以上の幸せは、何もなかった。しかし、運命が彼らの人生をいたずらに操作しているかのようだった。ジェイクはシドニーで、エミーはロンドンで働き始めたのだ。しかし、この障害をどうにか乗り切れるように二人は考えた。

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例え、そこに10,000マイルあっても、愛に満ちているカップルがお互いの関係を保つには、そんな距離、障害にはならなかった。毎日、FaceTimeで連絡を取り合うのは、そんな彼女たちの関係を維持する戦略のほんの一部。

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これは現実

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時は過ぎ、2人は真剣に、将来一緒に生活することについて考えていた。2016年を迎えた時、ジェイクはついに我慢ならず、エミーに渡したメモの内容を実現しようと計画していた。そうメモの中で、彼はエミーに結婚を申し込んでいた。そして今、彼はその約束を実行することに決めたのだ。

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若者の中でも多くは、約束をしてもそれを守らない人が多い。しかし、ジェイクはそんな男性ではなかったのだ。彼はロマンチックな旅行を計画し、花火を背景にして、フィリピンの崖で、彼女にプロポーズすることを計画した。

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全てが変わった

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彼らが熱帯地方に大冒険に出かける前、オーストラリアにいるジェイクを、エミーが訪問していた。一緒に過ごす最後の至福の時間、エミーはジェイクに一つの小さな頼みごとをした。それは、首のマッサージ。

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ジェイクは、そんな純粋なお願いを何も考えずに受け入れ、首のマッサージを行った。だってしてあげない理由がないでしょう?彼女は、彼が生涯一緒に過ごしたいと思った最愛の人だ。しかし、彼が彼女の肩に手を置いた時、ぞっとするある何かを見つけたのだ。

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「僕は固まったよ」

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「僕らは日曜日の午後、レストランに座っていた。ー 本当に晴れた美しい日だった。ー ただ、彼女の首に手を置いた瞬間、全てを僕は悟ったよ。何か悪い予感がする。僕は固まったよ。」後に、彼はこの日を運命の日と呼んでいる。

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ジェイクは、エミーの首にしこりを発見したのだ。最悪だと思った。今まで周りなど気にせず、恋に夢中になっていた彼らだったが、たった今、世界の全てが恐怖に包まれているように感じた。

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最悪の発見

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この状況で、確信がないまま他人から、色々なことを言われたくはなかった。ジェイクは、「誰も人のことを余計に心配したくはない。僕は叫びはしなかったが、”ああ、何でこのことについて今まで教えてくれなかったのだ。”と思ったよ。」と話す。ジェイクは、エミーに直ちに検査をする必要があると伝えた。

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ジェイクが、彼女に健康診断を受けるように伝えた翌日、イギリスに戻ってすぐに、彼女は健康診断を受けた。この後、医師は2人に驚くべき事実を伝えなければならなかった‥

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悲惨な検査結果

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今頃二人は、本当ならばフィリピンへの小旅行のためにワクワクしながら、準備を進めているはずだった。しかし、エミーの検査結果から状況は一変してしまった。彼らは、バケーションを楽しむわけには行かなくなってしまったのだ。

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そう、エミーは、ごく珍しいタイプの甲状腺癌を発症しており、国内発症者の中でも、若年患者の一人となった。更に、不幸にも医師は彼女に、肺、肝臓、脊椎、そして骨にも、全ての癌が広がっていると伝えたのだ。残念ながら、既に治すことは不可能なところまできてしまっていたのだ・・・

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献身的に

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この当時の様子についてジェイクは、「彼女は、体調があまり良くないと愚痴をこぼしていたが、首のことなんて、何も言っていなかった。」と漏らす。2人はまだ若く、残りの人生を一緒に過ごす、まさに準備の最中だったので、こんな悲報決して予想していなかったのだ。

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これは、2人がヨリを戻してからわずか6ヶ月のことだった。ジェイクは、エミーの側にいるためにすぐさまイギリスに戻り、エミーの近くで看病する事を決心した。残された時間を、ひと時も無駄にしたくなかったのだ。それに対しエミーは・・・

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勇気のいる戦いの始まり

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エミーとジェイクは、既に人生を共にする決意をしており、病気が彼らの関係を蝕まないようにと覚悟を決める事にした。彼らは、まだ始まったばかりの2人の人生の戦いの為に、準備をし始めたのだ。エミーは、楽観主義なので、今までと同様、どうにかこの困難を乗り越えようとしていた。

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「信じられないかもしれないけど、私はこれまで以上に幸せ。愛は最高の薬であり、その幸せに浸っていたの。」とエミーは口にした。彼女が、ロンドンにあるロイヤルマースデン病院に入院した時、友人と家族は、彼ら2人の応援を喜んで申し出てくれた。

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継続的な強さを示す

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病気の治療法がないと言われるほど、酷なことはないだろう。医師は、もっと早く癌だとわかっていたら、彼女は完治の望みがあったと告げた。そして、彼女が子供を授かることはできないとも告げたのだった。

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このニュースによって、状況は極めて過酷な状況に陥った。なぜなら、母親になるという彼女の夢が粉々に砕け散ってしまったからだ。でも、エミーには、まだ別の方法での望みがあったのだ。

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愛の美しさ

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彼らの人生を変えた診断の数週間後、ジェイクは旅行でのロマンチックなプロポーズの計画を中止にした。その代わり、彼はエミーとの時間を片時も無駄にせず、そして病院のベッドでお茶を飲みながら、彼女の手をとってプロポーズをしたのだ。

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彼女はためらうことなく、「はい!」と返事をした。そして、エミーは結婚式の計画を立て始めたのだ。自分にとってのビックイベントの計画をすることは、癌治療中でも彼女に楽しみを与えたのだった。

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一緒に一度の旅行

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エミーは「笑顔、愛、そして親切」という自分のモットーを常に持っていた。そのため、二人は後悔しながら生きるのではなく、このモットーに基づき、一緒に暮らす毎秒を最大限に有効活用することにした。

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そして、5日間の短い休暇にドバイに”逃避行”した。彼らは、一瞬一瞬の生活を大切にするだけでなく、短期間のバケーションも必要だったのだ。そして、旅行から戻ってきたとき、エミーはまた新たな努力を始めるのだった。

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チャリティの為に自転車でハイキング

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エミーは、自分自身を情けなく感じるタイプの人間ではない。生産的で、そして前向きな姿勢を維持し続けることで、周囲の人々を感動させるのだ。そして彼女は、ただベッドに寝ているだけでなく、ジェイクと一緒にロイヤルマースデン病院のために寄付金を集め始めたのだ。

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冒険心と他者を助ける意欲を示したこのカップルは、なんと病院に195,000ドル以上の資金を寄付することに成功した。彼らは、ロンドンからコペンハーゲンまで、ヨーロッパを自転車で横断したのだった。そして、この計画の意志を示すために、二人でお揃いのタトゥーを入れたりもした。

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人生で最高の日

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エミーとジェイクは、幼少期から惹かれ合い、恋人となった。二人は、人生のパートナーだけでなく、ソウルメイトでもあったのだ。彼らは何年も別々に生活し、遠距離恋愛を乗り越え、そして人生の浮き沈みを共に過ごしてきた。

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2016年9月、二人は無事に結ばれ、そのことに皆が涙を流した。将来については、きっとこの時点では不明瞭であったかもしれないが、そんなことで花嫁の笑顔がなくなりはしなかった。ジェイクは、式の前日、「僕は、ついにこの女性と結婚するんだ。人生で最も愛しているこの人と。」と思い、眠れなかったそうだ。

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病気でも健康でも

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彼らが直面した困難と成し遂げた成果によって、二人は世間から注目を集め始めた。エミーは、教育経験と才能を活かし、作家として治療中にいくつか子供向けの本を書いた。それに加え、ジェイクはイギリスの年間栄誉賞で、ITV Fundraiser of the Year を受賞した。

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有名人になったカップルは、エミーが解説したブログによって、ますます名前が知れ渡っていった。そして、この時は知る由もなかったが、このブログが後に運命的な出会いを担う。

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家族をつくる計画

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こんなにも多くのことが起こっていたにも関わらず、前々から望んでいたように、彼らは家族を作りたいと計画し始めていた。医師が彼女に、出産はできないと伝えていたことから、エミーは代理母出産を考えていた。そして、代理母になってくれる女性を募ることにしたのである。

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子供を作るという希望が、彼らを前向きにし、暗い毎日さえも明るくした。彼らは後、どれくらいの期間一緒にいられるかわからなかったので、専門家は9つもの可能性のある卵子をサンプルとして採取した。

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名乗り出たのは同級生!

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この夫婦の話に感動し、代理母に名乗り出てくれたのはなんと、彼らの同級生だった。リズ・ベグは32歳で既に母親となっており、近くに住んでいたのだ。「学校にいた時、彼女たちのことは、よく知らなかったんだけど、エミーのブログを読んでぜひ助けたいと思ったの。」とリズは語った。

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リズがブログを通じてエミーに連絡を取った後、彼女はジェイクと会うことになった。「エミーは、信じられないほどポジティブだった」とリズは説明した。

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たった一言、天使だ!

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化学療法が続いている間、同級生の3人は更に会うことを重ね、そこで夫婦はリズがとても素晴らしい人であることに気づいたのだった。ジェイクとエミーは、リズを天使であると言い、一緒に着床処置室にいった。処置している間、2人はずっとリズの近くに座っていたのだった。

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3週間後、リズは妊娠検査を受け、赤ちゃんが舞い込んでくる待望の結果を確認することにした。この後、エミーは何があっても生き続けることを可能にするだろう...

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ジェイクの経験を活かして

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当然のことながら、ジェイクは彼女の”医者”として、彼女の闘病生活の大きな支えとなった。経験とトレーニングを既にいくつか積んでいた彼は、彼女の注射を打ったり、傷を縫い合わせたり、彼女の体の管理も、まるでワシの目のごとく監視していた。

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ジェイクは、この特権を"もろ刃の剣" と呼んだ。彼は、他の誰にもできない彼女の面倒を見てあげることが出来たが、それと共に多くの責任を持つこととなった。そして、それはまた厳しい質問にも全て答えなければいけないことを意味していた。そう、素晴らしい一面と酷な一面を持ち合わせていたのだ。

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酷な質問

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医療経験のない人よりも、エミーをよりよくサポート出来ることは大きな利点だったが、ジェイクはしばしば困難な立場を強いられていた。エミーが自分の症状について厳しい質問を投げかけた際、ジェイクはその質問の真実に答えるのに苦労したのだ。

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ジェイクは、プロとして振舞わなければならなかった。そして、エミーのために分かりやすく医学の専門用語を解読して、彼女の理解を深めるのを手伝った。

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素晴らしい前進

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3人が再会し、リズが着床処置を受けてから3週間が経っていた。「僕らは、テーブルを丸く囲み、そして3回の妊娠検査薬のうち、1つ陽性反応が出たことを確認しました!」とジェイクは言った。物事がポジティブに回り始め、全員の興奮が高まっていた瞬間だった。

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「その時、エミーの目には素晴らしく希望の光が宿っていました。」とリズは言う。「それは、私たちが過ごしてきた中で、一番素晴らしい日だったわ。」しかし、残念ながら、これがリズとエミーが話す最後の日になったのである。

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最期まで

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「テストを行ってから一時間も経たないうちに、エミーは目を開けておくのがやっとの状態になっていた。− 彼女のエネルギーのタンクは、もうほとんど空に近い状態だったのである − そして、そこからエミーは決して目覚めることはなかった。」とジェイクは悲しそうな顔で思い出しながら言った。18ヶ月間もの間、甲状腺癌と戦ったエミーの最後の瞬間には、しっかりとジェイクが隣にいた。

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ジェイクが、奥さんを失ってから、唯一自分を楽できることとは、「彼女は、僕たちの赤ちゃんを授かることができると夢に見て、亡くなったこと。」と語っていた。

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悲しみの中にも優しさ

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妻の死に直面しなければならない彼の世界は、真っ暗であった。そして、代理母の妊娠がうまくいかなかったことを聞いたとき、更にその事態は悪化した。ジェイクは、完全に諦める前に、その後も2回、挑戦をお願いしたがうまくいかなかった。

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それでも彼は、リズが彼らのために全力を尽くしてくれたことに、とても感謝していたのだった。「リズは、全ての過程を通して、他者を常に大切にし、優しく、思いやりがあり、とてもゴージャスな人でした。」と彼は言う。彼もまた、この悲しみが彼の全てをダメにしないように必死に克服しようとしていた。

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天国への贈り物

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ジェイクは、エミーを次のように述べている。「彼女は、私のバイクマラソンのキャプテン、私の親友、私の運命の人、私の妻、そして、私の本当のヒーロー」この言葉から、彼は人生の全てをかけて、エミーを愛していたことがわかる。彼女が亡くなってからも、エミーのことを考えない日はないと話している。

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「車を運転している間、助手席を見るのは、まだ深い胸の痛みに襲われてできないんだ。」とジェイクは言う。そして、彼らの間にできるはずだった、初めての赤ちゃんが、今はエミーと天国で過ごしているだろうと信じている。

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見出しを飾る

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このジェイクとエミーの愛の物語は、イギリスで衝撃的なニュースとして見出しを飾った。エミーの死は、多くの人の間で会話の話題となり、瞬く間に広がるのを誰も止めることができなかった。

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ジェイクの生活は、このことで数ヶ月間、騒がしくなった。しかし、どんなに彼女の死が、彼の人生でかけがえのないものとなっていても、また幸せを見つけてもいいのではないか、と言う声も次第に上がるようになった。そして、彼女の死から8ヶ月、ジェイクは再び、愛を見つけたことを明かしたのである。

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胸に留めながら前へ進む

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2018年の初め、エミーの気持ちと共に、ロイヤルマースデン病院の資金集めのため、ジェイクは2ヶ月で10個のマラソンに参加することを決意した。彼が行った最初の目的地は、アイスランド。そこで、彼の新しい恋のお相手、ジェナ・シェルビイと出会ったのだ。

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ジェイクは、彼の新しい「素敵な人」をSNSに投稿し、壊れかけていた彼の人生を再修復しようとしていた。それは、彼の亡き妻の辛い思い出から、少しでも克服しようとしたのだが、これが予想外もしない大反響を得ることになったのだ。

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幸せを捕まえて

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ジェイクが、新しい女性と幸せを見つけている間、ソーシャルメディアでは、その話題で持ちきりになり始めた。彼らは、ジェナが信じられないほどエミーに似ていると指摘し、外見で選んだのだと騒ぎ始めた。

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彼が、再び心を開き始めたことに応援する人もいたが、「あまりに早すぎるのではないか?」と批判した人もいたのである。

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幸せはどこに?

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人生であなたが望むこと全て、100パーセントうまくいくことはない。そう、多くの人がジェイクとジェナを支持していたが、その意見に反する人もいたのだ。主な批評内容と言うと、エミーの家族も見ることができるSNSと言う公の場で、新しい恋に落ちたことを公開するのはデリカシーがないと言うような内容であった。

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その一方で、多くの人はジェイクが幸せを見つけるのに値すると言って、それを支持していた。

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ポジティブに

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ジェイクは、毎日常に最善を尽くすこと、幸せになる為なら何でもしたいと言う信念を説明し、ポジティブに前進する為に見守って欲しいと説明した。

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「僕のことを知らない人、もしくは僕の人生を理解できない人、そして僕が何を思って行動したのかわからない人たちからの、ネガティブなコメントは削除しました。だって今僕の人生には、ネガティブになってる時間なんてないいから。」と彼は言った。

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彼の太陽の光が戻ってきた

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ジェイクは、ジェナがどのように自分の人生に入り込んだのか振り返った。「僕以上に驚いた人はいなかっただろう」と彼は言う。「彼らは(ジェナと彼女の子供)、僕の人生に太陽の光を取り戻し、普通の生活に戻っていくような感覚に陥ったよ。」と付け加えた。

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ジェイクは、ジェナのしてくれたサポートを全てを褒め、ジェイクにも彼女との未来が見え始めてはいたが、やはり彼はまだエミーのことを決して忘れることはできなかったのだ‥

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思いやること

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ジェイクは、彼の最愛の恋人と、子供を持つと言う夢を叶えることができなかった。そして、すでに代理母出産に失敗していた為、もしまた違う挑戦をして、失敗してしまったら、立ち直ることができないと思っていた。

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しかし、彼の過去の経験から、ジェイクはジェナの子供と過ごす期間は、より一層、感動的で大切なものに感じられた。このカップルは、お互いを理解し合っているように見えたし、一緒に過ごすことを楽しんでいるようにも見えたが、お互いの愛は減速していったのだ‥

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恩返し

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ジェイクが経験した医師としての仕事によって、彼は、がん患者の治療がいかに苦痛で、回復を試みても、うまくいかないことをよく知っていた。この経験を活かし、彼はロイヤルマースデン病院で毎日ボランティアをすることにしたのだ。

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ジェイクは、病院で若い世代のために、美術の授業を始めたのだ。彼は自身のインスタグラムで、病院で出会った人々や彼の経験を共有し、闘病中の彼らの縛られない気持ちや勇気を、他の闘病生活を送っている人々への励みにする手助けを行なった。

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全ては価値がある

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ジェイクが、チャリティとして10個ものマラソンに参加すると発表した後、彼のSNSのフォロワーが、彼のステップアップとその挑戦を称して、エミーコート基金とロイヤルマースデン病院に、約9,000ドルの寄付がされた。

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ジェイクは、奇跡的に9つのマラソンを、亡き妻への思いと共に約8週間で完走した。彼のFacebookには、マラソンに参加するために約3200Km運転しないといけなかったり、エントリー料金に追加料金が発生したり、足の指の爪を失ってしまったり、などの出来事が投稿されていた。それでも、彼はこの全てに価値があると言っていた。

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タラとタイロン

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エミーは小学校の先生だったので、子供達への思いや子供向けの本について詳しかった。そして、癌と戦っている間、エミーは自分で子供向けの本を書いて、治療の痛みから逃れるよう努力したのだった。

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2人で行なった自転車ハイキングからアイディアを得て、タラとタイロンの愛称で本を作った。ジェイクは、彼の絵を描く才能を活かし、彼女は文章を手がけた。まさか、2人で一緒に出版事業を始めるとは思ってもみなかったのだ。

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3冊の本の出版

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エミーの抗がん剤治療の最中に、タラとタイロンの2つの本を出版することに成功した。一冊目は、”タラとタイロン - 泥の中で立ち往生 - ”、2冊目は”タラとタイロン - ペドロ・ザ・ポンプ”と題した。そのイラストはどちらもジェイクが手がけたのだった。

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エミーは、三作目の"タラとタイロン - 海で迷子 ”の大部分を、亡くなる直前までに終わらせていた。その後、なるべくエミーの希望に添えるよう、ジェイクが最後まで描き上げた。また、これらの本から得たお金は全て、ロイヤルマースデン病院に寄付された。

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力強いメッセージ

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数年前まで、ジェイクは決して自分の人生に、このような試練が待ち受けているとは、想像もしていなかっただろう。彼はまだ、エミーが生きていた時の思い出や言葉を鮮明に覚えている。そして「今でも毎日エミーと話しているよ。」と彼は言った。

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さらにもう一言、彼はこう付け加えた。「あなたの夫や妻、パートナーや恋人のところにいって、彼らを抱きしめて欲しい。いつもより強く、そして長く‥」